2012年4月17日火曜日

樋口裕一の筆不精作家のブログ: 2012年3月


 3月9日、ベトナム時間の23時55分にハノイを出発して、10日の早朝、成田に到着。バスで自宅に帰ってきた。ホーチミンまでの行きは少し遅れて離陸したので7時間近くかかったが、帰りは追い風ということもあり、ハノイからということもあるのだろう、4時間半ほどのフライトだった。行きに比べてずっと楽だったが、機内で一睡もできなかったのがつらかった。

 そんなわけで、バスで自宅に帰ってから、すぐにたまっていた仕事を仕上げてから、午後、ひと眠りして、やっと人心地ついた。

 ともあれ、ベトナム旅行は満足だった。ざっと振り返ると・・・

実は、この旅行、JALパックの「夫婦の記念日」というようなタイトルのついたツアだった。妻と私は、昨年、ある記念の年を迎えたが、忙しかったので何もできなかった。今年は、下の子どもの就職が決まり、親としての肩の荷が少し下りて、この旅行を計画した。そのため、これまでと違ってホテルは高級なほうを選んだ。ホーチミンはシェラトン、ハロン湾はノヴォテル。ついでに言うと、シェラトンは無線ランが高いのを除けば文句なし(無線ランはロビーだけ無料だったので、室内での使用はしなかった)。ノヴォテルはホテル自体はとてもよかったが、洗面所や浴室がデザイン重視のため、おしゃれではあるものの、かなり使いにくかった。

このようなツアーなので何組かの夫婦と一緒になるものと思っていたら、ほかの客はなく、ずっとガイドと運転手つきの乗用車での個人旅行に近い形だった。かなり自由にできて、ありがたかった。

9日以降の行動をまとめておく。


彼らはブラジルに何が休日を祝うのですか?

朝のうちにハロン湾近くのホテル(ノヴォテル)を出て、ハノイに向かった。途中、有料道路も含めて3時間近い道のり。ハロン湾に向かったときと同じ運転手さんだった。前ほど急いでいなかったようで、そんなに「ぶっ飛ばした」わけではなかったが、それでも、かなりのスピードを出し、前の車と車間距離はほとんどとらず、パッシングしながら、反対車線にはみ出して、次々と前の車を追い抜く。が、その私たちの車の後ろから、パッシングしながら追い抜いていく車もあるので、この運転手さんが特別に乱暴というわけではなさそうだった。

水田が広がっている地域もあった。今が田植えの時期らしい。牛を農作業に使っているところもある。ほかは手作業で機会はほとんど見かけない。昭和30年代に日本では消え去った農作業風景だった。私はかろうじて、このような農村の風景の記憶がある。

途中、お土産物屋と陶磁器の村であるバチャン村に寄った。ツアーなのでお店に寄ってお茶を出され、そうこうするうちにお土産を買う仕組み。お土産物屋では、停電を経験した。ベトナムは電力不足のため、停電がときどき起こるらしい。日本がベトナムに新幹線と原子力発電所を売り込み、結局、新幹線は断られて原発を受け入れることになったと言うが、為政者の判断からすると、当然の成り行きだろうと思った。この国では、残念ながら新幹線よりも電力、しかも手っ取り早い原子力発電所が必要とされているのだろう。

陶器の町では、もしかしたら、相場よりもちょっと高いかもしれないが、個人でこんな所にはなかなか来れないし、茶碗はとても趣味がよく、きれいなのでいくつか買った。

 出発から3時間以上かけて昼過ぎにハノイ到着。昼食(これまた実においしかった!)を済ませてから市内見物。


新しい試験のための運動は何を意味するのでしょうか?

初めてのハノイだった。ホーチミンとの気候の違いは大きい。ホーチミンは晴れ間が多く、昼間は33度前後だった。ところが、ハノイはずっと曇りがちで気温も15度前後。薄手のジャンパーでは寒かったので、東京を出発した時に同じ薄地のコートを着ていた。

ホーチミン廟(ただし、休みだということで中には入れなかった)、一柱寺(小さい、11世紀にたてられたという由緒ある寺。とてもこじんまりして美しかった、文廟(孔子を祀る廟。大学施設として使われていた建物もあった。中国的な寺だが、趣があった)などをみた。

 世界遺産の城跡があると聞いていたが、時間不足ためと思われるが、ツアーに含まれていなかったようだ。

 とりわけ緑色をしたホアンキエム湖は、ベトナムの歴史に関わる剣の伝説のあるところらしく、おもしろかった。赤塗りの橋を渡ってその湖の中にある玉山祠に行ったが、市民や観光客でにぎわっていた。

その後、その湖のすぐ近くの劇場で水上人形劇を見た。1000年以上前から続いている人形劇のスタイルらしい。客席は、日本人、韓国人、中国人、フランス人、アメリカ人、スペイン人などの観光客でいっぱいだった。

 水上人形劇とはどんなことかと思っていたら、舞台の全体に水が張られており、人形がすべてそのうえで動く。伝統的な楽器を用いた音楽に合わせて、水田の祭り、釣り人と魚の攻防、そして、おそらくベトナム人なら誰でも知っている民話など、水に関わる類の物語が描かれる。人形の動きで物語が展開しているようだが、一貫したストーリーはなさそうだった。一つ一つの物語も、ストーリー自体、私にはよくわからなかった。が、1時間程度の上演なので、退屈しないで見ていられた。ともあれ、民族音楽(アンプを使っているため、音がつぶれて、ニュアンスが伝わらなかったのが、残念。生の音を聞きたかった!)と人形の動きがおもしろかった。


ここで、iは "ウォール街で勝つ"ボードゲームを買うことができますか?

 しかし、それにしても、どのようにして人形を操っているのだろう。背後からにしては、人形が舞台の前方に出てくるところもある。人形の下の水の中に人が潜って操っているのか。が、潜ってあのような動きをさせるのは至難の技だろう。上演が終わった後、舞台の水をのぞいてみたが、それでもわからずじまいだった。

なお、客席から写真を撮った。目の前の人の禿げ頭が大きく写っているが、その向こうに見えるのが水上人形劇。写真には映っていないが、舞台の左側で10人程度が伝統音楽を演奏している。

その後、自由時間をもらって、少し妻とゆっくりした。が、どこに行っても、道路の喧騒が凄まじく、大勢の人でごった返しているので、ゆっくりした気分になれない。道を横断するのが命がけなので、遠くに行くのが怖い。結局、公園を少し散歩し、カフェに入るしかなかった。

ハノイの交通状況は凄まじい。ホーチミンでは以前に比べて交通ルールを多少守るようになっていたと思ったが、ハノイでは交通ルールなどまったくないに等しい。公共交通が発達していない(市内電車や地下鉄はない。路線バスもほとんど見かけない)し、電力不足のために信号も少ないので、このような状況になるのだろう。


信号のない交差点では、誰もが我先にと進もうとして大混乱。どうやら、強いもの(大型車、そして乗用車)が勝ち、バイクが道を譲るというルールらしい。バイクも警笛を鳴らしまくり、車やバイクの間をすりぬけていく。携帯電話で話しながら、二人乗りでバイクに乗って、しかも危険なすりぬけをしている人も多いので驚く。逆走バイクも見かける。信号無視もかなり多い。ベトナム旅行中、一度も事故を見かけなかったが、それが不思議。最近、障害物に反応して停止する車のCMを見かけるが、ベトナムでこのような車があったら、立ち往生のしっぱなしだろう。車の数センチ先を次々とバイクがすりぬけていくのだから。もちろん、だからと言って乗用車のほうもおとなしく運転しているわけではなく、警笛� ��鳴らし、追い越し、すり抜けしていく。

ハノイにいる間、ずっとけたたましい警笛とバイクの爆音に付きまとわれていた。カフェに入ると、今度はものすごいおしゃべりの声。静けさとは縁遠い都市だ。たまたま通ったところの印象なのかもしれないが、ホーチミンは西洋化が進み、喧騒が少しおさまったように見えたが、ハノイは相変わらずアジア的喧騒の頂点にいるように思える。

ところで、最近どこに行っても感じるが、韓国の存在感が大きさも改めて感じた。ヒュンダイのバスやトラックが走り、サムスンの電化製品があちこちにある。韓国人の観光客を日本人以上に見かける。日本人観光客は高齢者(特に、女性の高齢者を多く見かけた!)なのに対して、韓国人はもう少し若い人が多い感じ。余計に韓国人のパワーが目立つ。


 ハノイ・オペラ座の隣にあるフランス料理の店で夕食。フランスが植民地時代に建設したオペラハウスと言うので期待してのぞいてみた。だが、オペラハウスというのは名ばかりで、クラシックはほとんど演奏されないらしい。ただ、ちょうどその日は、「ドイツオペラの夕べ」が上演される予定だった。ベトナム国立管弦楽団(本名徹次さんが常任指揮者をしている楽団だと思う)、指揮は



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